1.自然妊娠力を高めるヒント
🌱 自然妊娠力を高めるためのヒント
米国生殖医学会(ASRM)の専門委員会による提言をもとに、妊娠を目指す方に知っていただきたいポイント をまとめました。
📖 Optimizing natural fertility: a committee opinion
📌 Fertil Steril 2022;117:53–63.
1️⃣ 年齢と妊孕性(妊娠しやすさ)
女性の妊娠・出産の可能性は 35歳を過ぎると徐々に低下 し、染色体異常や流産のリスクが高まります。
35歳以上で6ヶ月間妊娠を試みても成功しない場合 は、不妊治療専門医への相談を検討しましょう。
2️⃣ 妊娠可能な期間
「妊娠可能な期間」は、排卵日までの6日間。
最も妊娠しやすいタイミング は、排卵日の1~2日前 です。
理想的な性交頻度
✅ 1~2日おき に行うのがベスト
✅ 週2~3回でもOK(ほぼ同じ効果)
✅ 回数を制限する必要なし(自然なタイミングでOK)
3️⃣ 妊娠しやすい時期を知る方法
排卵検査薬や頸管粘液の観察 を活用すると、妊娠しやすい時期を特定しやすくなります。
定期的な性交が難しい場合も、これらを使えばタイミングを合わせやすくなり、妊娠までの期間を短縮できる可能性があります。
4️⃣ 食事とライフスタイル
特定の食事や栄養素が妊娠率を劇的に向上させる確かな証拠はありませんが、健康的な食生活 は大切です。
妊娠を目指す女性は、葉酸サプリメント(400μg) を毎日摂取することが推奨されています。
また、パートナーも健康的なライフスタイルを意識しましょう。
5️⃣ 性交時の姿勢や習慣
「特定の体位が妊娠しやすい」「性交後に仰向けで横になると妊娠率が上がる」などの科学的根拠はありません。
➡ 好きな体勢・タイミングでOK!
6️⃣ アルコール・薬物・喫煙・カフェイン
⚠ 妊娠に悪影響を及ぼす可能性があるもの
❌ アルコールの乱用
❌ 薬物使用
❌ 喫煙 🚭
❌ カフェインの過剰摂取(適量なら問題なし)☕
妊娠を希望する方は、禁煙&アルコール・カフェインは控えめに!
7️⃣ 環境への暴露
内分泌かく乱化学物質(ポリ塩化ビフェニル(PCB) など)や、大気汚染への過剰な暴露は妊娠に悪影響を及ぼす可能性 があります。
➡ できるだけ環境リスクを避ける工夫を!
📌 補足:頸管粘液のモニタリング
欧米では、排卵時期を予測するために 頸管粘液の観察 が活用されています。
引用文献
Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine, Practice Committee of the Society for Reproductive Endocrinology and Infertility. Optimizing natural fertility: a committee opinion. <i>Fertil Steril</i>. 2022;117(1):53–63.
DOI: 10.1016/j.fertnstert.2021.10.007</a>
PubMed: 34814089</a>
